島外のアーティストを琉球ヴィラに招致し、奄美大島の魅力を表現した作品を滞在制作してもらう“アーティストインレジデンス プログラム”。 その第2弾として、アーティスト  Shuhei Fukuda氏に銀箔の作品を滞在制作していただきました。琉球ヴィラ・ビロウで常設展示しています。   

作品タイトル: Untitled AMAMI 2024
素材: 銀箔、墨

 今回の奄美での滞在制作では、銀箔そのままの状態を襖に施したことにより、奄美の温暖湿潤な気候にその変色を委ねました。海に面した潮風とビロウ樹やソテツに囲まれた大自然の環境がもたらす変色はまさに今・ここでしか促せない変化をもたらすはずです。このような過程を経た作品は従来の作品に比べて、作品の「場所性」が強くなり、物質としての側面が強かったものから、人々の現実的な時間軸の延長線上にあるもう一つの知られざる自然界のサイトスペシフィティが強調されるでしょう。(アーティスト本人より)

 

Shuhei Fukuda

アーティスト / キュレーター

日本生まれ。

東京藝術大学大学院博士課程美術研究科美術専攻壁画第一研究室 博士課程在籍中。

日本画への研鑽を経て、日本の伝統的な素材と技法を用いて現代的なアプローチを試みています。

特に銀箔を素材に、作品を自然に放置することで、銀に生じる変色を作家と素材の緩やかな関係性として表象しています。素材や作品の物質性を表面に強く提示することで、自然のありのままを重んじる東洋的な自然観と美的感覚を追求しています。

主な個展に「Quiet colors」(RUE VERTE、コペンハーゲン・デンマーク、2023 年 ) 、「変化 / 不変=普遍」( アーツ千代田 3331、東京、2019 年 ) 。主なグループ展に「ashes and silver leaf」(Hebel_121、バーゼル・スイス、2023 年 )、「Depository Archeology」(kvalitar、プ ラハ・チェコ共和国、2023 年 ) 。ヨーロッパ を中心に展覧会を開催している。

主なアートフェアへの出展として、「Art Fair Beppu 2023」(大分、2023年)。

またアーティ スト活動の他に、主なキュレーション企画として「臨江閣【茶室】プロジェクト」 ( 群馬、 2019年) 、「A03」( 東京、2019年~) がある。